今までのアニメといえば、地球を守るため主人公がメカやロボットを操り敵を倒し、正義と友情とを誓い合いながら皆で力を合わせ巨大な悪と戦う!
……と、そんなイメージの方も多いのかもしれません。
ところが近頃は、少女マンガをアニメ化した"恋愛アニメ"が大変増えているのをご存知でしょうか?
繊細なタッチの絵柄や登場人物の心の機微など、丁寧で細やかな作品がこうしている間に幾つも生まれているのです。
ですがもちろん、今よりずっと以前に作られたアニメ作品の中にも、"名作"と呼ぶにふさわしい恋愛アニメは多数存在していました。
そこでこちらでは、「1980年代」「1990年代」「2000年代」と3回に分けて、私自身おすすめの「恋愛アニメ」を紹介させて頂きます。
初回の「1980年代」からは、以下の3作品をピックアップしてみました。
- みゆき
- めぞん一刻
- きまぐれオレンジ☆ロード
1980年代の恋愛アニメの詳細は?
かなりギャグテイストが強い傾向にあったと思われます。
また少年マンガ原作のアニメが大変増え、高橋留美子先生やあだちみつる先生を代表とした小学館作品をよく目にしました。
みゆき
【主題歌のMIYUKI You are my anger~♪のフレーズは、聴いていて癖になりそうです】
『みゆき』アニメ制作:キティ・フィルム。
1983年3月~1984年4月(全37話)フジテレビにて放映。
※劇中で使われた挿入歌の多くは来生たかお・えつこ夫妻によるもの。
【EDの"思い出がいっぱい"はとても有名で、現在もよくTV等で耳にします】
「タッチ」でもお馴染み、あだちみつる先生の人気マンガ「みゆき」をアニメ化した作品。
平凡な高校1年の若松真人は、同級生の鹿島みゆきに憧れていました。
丁度その頃、6年ぶりに海外から日本に帰国した血の繋がらない1つ下の妹みゆき。
こうして繰り広げられる、主人公と2人の"みゆき"との三角関係を描いた物語り。
当時若松みゆきの声を荻野目洋子さんが担当しましたが、声優としてのその演技力には、一部ファンから物議を醸したようです。
優柔不断な真人と、美人でしっかり者の"鹿島みゆき"と、そしてかわいい妹の"みゆき"。
いわゆる主人公を中心とした「ハーレム展開」のラブコメ、その元祖といえるのかもしれません。
真人は妹のみゆきが自分と血が繋がっていないことを「知らない」と思っていたので、妹に対する自身の気持ちを必死に隠し続けます。
そのため真人と妹のみゆきとは何度もすれ違い、互いになかなか素直になれず、結果として鹿島みゆきや周りの人間を巻き込み大混乱を巻き起こすのでした。
"かわいい妹が欲しい!"当初の男子達が誰もがこのように思った名作アニメ、それがこの「みゆき」です。
めぞん一刻
【主題歌は"悲しみよこんにちは"や"好きさ"など名曲揃いでした】
『めぞん一刻』アニメ制作:スタジオデォーン。
1986年3月~1988年3月(全108話+OVA2作)フジテレビにて放映。
1988年2月に劇場映画にて完結編を上映。
※主題歌は斉藤由貴さんや安全地帯など当時の有名アーティストを多数起用されました。
["こんな管理人さんが居るアパートに住みたい"響子さんに憧れた男性は多いのでは]
当時「うる星やつら」などといった、ドタバタSFコメディで人気をはくした高橋留美子先生が、ちょっぴり大人の読者向けに描いたラブコメの傑作。
古アパート「一刻館」に、新しい管理人としてやって来た若く美しい未亡人・音無響子。
彼女と彼女に思いを寄せる浪人生・五代裕作を中心に、一刻館の住人たちが巻き起こす物語り。
音無響子は高校時代から思い続けた教師・惣一郎と結婚しますが、半年足らずで惣一郎は亡くなってしまいます。
その後惣一郎の父の計らいにより、響子は一刻館で住み込みの管理人となり、変人揃いの住人に振り回される日々を送ることになります。
その響子に思いを寄せるのが、一刻館で暮らす浪人生・五代裕作。
人の良い五代は何をやっても運がなく、恋焦がれる響子に対してもなかなか思いが届かずにいました。
一方の響子も、五代を気に掛けるようになりますが、自分が五代よりも2つ年上であることや未亡人であることに負い目を持ち、なかなか素直になることが出来ずにいます。
ですがお互いの前に強力なライバルが現れ、さらに2人は勘違いとすれ違いループに陥ってしまうのでした。
何度も勘違いとすれ違いを繰り返す五代と響子、当時の視聴者はかなり焦れた思いをさせられたのではないでしょうか?
・『きまぐれオレンジ☆ロード』
【第1期OPは主人公の台詞の後に、アップテンポな曲に合わせ画像が小刻みに写し出される印象的なものでした】
『きまぐれオレンジ☆ロード』アニメ制作:スタジオ。
1987年4月~1988年3月(全48話)日本テレビ系列にて放映。
OVAは1989年~1991年に合計8本発売。
また劇場映画はOVAの総集編などの3本を公開されました。
※キャラデザはクリーミーマミなどでお馴染みの高田明美さん。
【中3でありながら大人びた魅力の鮎川は、当時のアニメ雑誌では長らく人気キャラの上位に君臨しました】
4人家族全員が超能力者の春日恭介は、超能力を使えること意外はごく普通の中学生。
そんな彼は転校先の中学で、ミステリアスでクールな雰囲気を併せ持つ美少女・鮎川まどかに惹かれていきます。
ですが放課後1人でバスケのスーパーシュート(超能力)を決めていたところを、2学年下の檜山ひかるに見られ好意を持たれてしまうのでした。
勘違いとすれ違いとで形成された、典型的な三角関係&ラブコメ。
ヒロインの鮎川は大人っぽい雰囲気を持つ無口な美少女ですが、周りからは大変な不良少女だと恐れられていました。
また本作サブヒロインであるボーイッシュな檜山ひかるは、明るい栗色のショートヘア同様に性格も明るく元気そのもの、ですが彼女も不良少女だったのです。
実は当時の風潮が、ちょっとワルめや不良が"カッコイイ"とされていたので、2人のヒロインにもそれらが反映されていたのかもしれません。
性格や見た目が真逆なまどかとひかるでしたが、2人は姉妹のように仲が良く、そして次第に惹かれてゆくのは2人とも同じ相手・春日恭介だったのです。
中学生とは思えない魅力を持つまどかに多くのファンが生まれ、当時の一大ブームを巻き起こした名作アニメです。
まとめ
以上「80年代」恋愛アニメから3本をご紹介させて頂きました。
当時の恋愛アニメは、少年マンガを原作にした作品が多いため、その目線は男性視点だったように思えます。
また勘違いやすれ違いを何度も繰り返すドタバタコメディ、いわゆるスラップスティック調のラブコメが主流だったのではないでしょうか。
だからこそ、男性の胸の奥に憧れや思い出として残る名作が生まれたのかもしれません。
それでは、次回「90年代」でお逢い出来ればうれしいです。
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