2回目となる「90年代」では、以下の3作品をピックアップしてみました。
- ママレード・ボーイ
- 花より団子
- 彼氏彼女の事情
1980年代からは、少女マンガを原作としたアニメが増えたように思います。
ですが少女マンガ独特の繊細なタッチをアニメにする事は大変難しく、アニメ化はマンガの人気を反映しながら、同時に原作イメージと違うそんなジレンマも孕みました。
ママレード・ボーイ
【OPの「笑顔に会いたい」では夜空をバックにした2人が、ベンチに腰掛け寄り添ったり肩を抱いたりキスをしたりと、なかなかのドキドキ具合でした】
『ママレード・ボーイ』アニメ制作:東映アニメーション。
1994年3月~1995年9月(全76話)ABC及びテレビ朝日系列にて放映。
※タイトル表記は「ママレード♥ボーイ」と中点"・"でなく小さなハートマーク。
【全76話もの放映期間を誇り、最高視聴率は16.1%の人気アニメです】
高1の小石川光希(こいしかわ みき)は、ある日突然離婚した両親が、お互いが意気投合した松浦夫婦とそれぞれCPとなってしまいます。
そうしてW離婚しW再婚した両親たちと共に、松浦夫婦の息子・松浦遊(まつうら ゆう)との奇妙な6人生活を始めることになってしまうのでした。
W離婚の後にW再婚し家族全員が同居と、かなり無茶を感じる設定ではありますが、お話ではその設定を活かされているので十分楽しめます。
また両母親共が専業主婦ではなく化粧品会社や洋酒メーカー勤務なのも、当時代の風潮を色濃く表しているのかもしれません。
そして作品では子供である2人以外にも、こうした両親たちそれぞれの"恋愛"も描かれているのです。
ところで、主人公である光希と遊の友人らも、皆が揃って印象的かつ個性派揃いでした。
例えば光希の友人は豪邸に住むお嬢様でありながら、初めて書いた小説が賞を取ってしまったり。
遊の友達で美形の三輪は、周りからは遊と同性愛でないかと噂されたりと。
こうした設定と展開とは、実にドキドキわくわくな"少女マンガ的"アニメでした。
花より男子
【当時はまだセル画アニメでしたが、OPはキャラが驚くほどクルクルと動き回ります】
『花より男子』アニメ制作:東映アニメーション。
1996年9月~1997年8月(全51話)ABC及びテレビ朝日系列にて放映。
東映アニメフェス併映作として1997年劇場アニメが公開されました。
[今思うと道明寺らF4は、現在の乙女ゲームに通じるような気がします]
裕福な家庭の生徒が多い学園に入学してしまった貧乏な少女・つくしが、超美形なうえ大金持ちの男子グループ"F4"らよる差別やいじめを跳ね返し、何時しかいじめのリーダーであった道明寺と互いに惹かれあってゆく恋愛ストーリー。
作中でつくしへのいじめはかなり苛烈であったため、アニメ放映時にはファンの間でも幾度か物議を醸しました。
またママレード・ボーイやご近所物語りと続いたこの「トレンディーアニメ」枠(日曜8時半)は、今作の低視聴率を受け子供向けアニメへと移行してしまいます。
道明寺は顔も財力もある男ですが、残念ながら頭が悪く性格もかなり幼稚でした。
しかしだからこそ純粋に、いじめにも屈しないつくしの強さや真っ直ぐな姿に触発され、いつかその思いは恋愛へと変化してゆきます。
同様につくしも、最初こそは救いの手を差し伸べたF4の類に好意を持ちますが、道明寺の裏表のない性格に段々と心惹かれてしまうのです。
例えば何時もはくりくり天パー頭の道明寺が、水に濡れるとストレートヘアーで大人びた表情となる、いわゆる"ギャップ萌え"が多く登場するのもこの作品の魅力でした。
・『彼氏彼女の事情』
【OPはさわやかな曲をバックに、マンガのコマ割のように次々に登場人物が現れ楽しい雰囲気ですが、雪野がお腹を押さえるカットは将来を暗示させドキリとします】
『彼氏彼女の事情』アニメ制作:GAINAX及びJ.C.STAFF。
1998年10月~1999年3月(全26話)テレビ東京系列にて放映。
監督及び脚本はエヴァンゲリオンの庵野秀明監督。
【主題歌の作詞は藤井フミヤさん、EDは井上揚水さんの"夢の中へ"を別の歌い手が】
県内随一の進学高校に通う宮沢雪野は、幼い頃から自他共に認める認める成績優秀でスポーツ万能なうえ容姿端麗な優等生。
だけど彼女の本性はといえば虚栄心の塊で、実は人前では猫を被っていました。
ですが同じクラスの有馬総一郎は、雪野以上に優秀でさらに美形で人当たりも良い人物。
そんな有馬に雪野は勝手にライバル心を燃やしますが、ある日うっかり有馬に自分の本性を見られてしまうのです。
登場人物2人が揃って、成績優秀・スポーツ万能・容姿端麗でありながら裏があり、学校での自分を演じる捻った設定の物語りです。
作中に実写を入れたりアニメでありながらマンガの手法で表現したり他作品のパロディを入れたり、色々と斬新かつ実験的要素も強いアニメ作品でした。
またラブコメであるにも関わらず、所々に薄ら暗さが盛り込まれた不思議な雰囲気もありました。
ですがアニメが原作マンガに追い付いた頃にはかなり混乱し、そのまま終了したのは残念に思います。
まとめ
以上「90年代」恋愛アニメから3本をご紹介させて頂きました。
この頃になるとアニメ技術も向上し、アニメ制作もセル画からデジタルへと移行し始め、そのお陰で少女マンガなどの繊細な作品をアニメ化出来るようになりました。
また日曜の朝や夕方といった、普通の時間帯での恋愛アニメが多く放映されていたのも特徴の一つかもしれません。
それでは、次回「2000年代」までお付き合い頂けるとうれしいです。
-
-
【1980年代】恋愛アニメ!人気オススメ3作品一覧!年代別!
今までのアニメといえば、地球を守るため主人公がメカやロボットを操り敵を倒し、正義と友情とを誓い合いながら皆で力を合わせ巨大な悪と戦う! ……と、そんなイメージの方も多いのかもしれません。   ...
-
-
【2000年代】人気おすすめ恋愛アニメは?君に届け、NANA、ハチミツとクローバー
「2000年代」からは、以下の3作品をピックアップさせて頂きます。 ハチミツとクローバー NANA 君に届け 2000年代になると、アニメ制作の主流はセル画からデジタルへと移行し、その作画や描写はさら ...